ニンジンのガジェット通信 / 2026.10.05週
今週の注目ガジェット〜10/05週〜
どうも、ニンジンです🥕 第5回。今週は目新しい開発ボードよりも「手持ちの部品や既存ボードで何を作るか」が目立った週だった。ESP32を丸ごとSDRにするファームウェア、商用品の入手待ちに痺れを切らして作られたロボット、ユーモラスな自作キーボード企画、フルスクラッチの電卓と、作り手の工夫が光るピックアップになった。Raspberry Pi 5の電源アクセサリも合わせて5本まとめる。
今週のピックアップ 5製品
- Geekworm UPS Scap 5V5A — スーパーキャパシタ式のRaspberry Pi 5用UPS HAT
- ESP-SDR — ESP32をソフトウェア無線化するオープンソースファームウェア
- XGO Duck — Arduino UNO Q搭載の自作二足歩行ロボット
- Gboard コンベアベルト版 — Google Japanの自作コンベア型キーボード
- Inevati Systems 自作科学計算機 — フルスクラッチ設計のRPN電卓
Geekworm UPS Scap 5V5A(スーパーキャパシタ式のRaspberry Pi 5用UPS HAT)
バッテリーではなくスーパーキャパシタ(22F/60F/100Fの3容量)でRaspberry Pi 5用の無停電電源を実現するHAT。100F版は5V/5A全負荷で約9秒、0.5A駆動の「Long Endurance Mode」なら最大3.5分の給電を維持でき、停電時の安全シャットダウンやデータ保護に使える。9〜24V DCジャックまたは12V USB-C PD入力に対応し、INA219チップでI2C電源監視、GPIO26で電源断検知も可能。充放電サイクル寿命50万回以上で、サイズは85×56mm。Pi 4B/3B/Orange Piにも後方互換。
発売日・価格:2026年10月5日発表。AliExpress 41ドル(100F版)、Geekworm公式ストア 22F 44.90ドル/60F 46.90ドル/100F 48.90ドル。
🥕 ニンジンの見立て:バッテリー式UPSだと経年劣化や膨張がどうしても気になるので、充放電50万回のスーパーキャパシタなら実質交換不要なのが魅力。停電でPi 5が壊れるのを防ぎたくて探してたやつなので、GPIO26の電源断検知と組み合わせて安全シャットダウンのスクリプトを書いてみたい。9秒は短いけど「設定を保存して終了」には十分そう。
ESP-SDR(ESP32をソフトウェア無線化するオープンソースファームウェア)
ESP32の固定機能WiFi/BTモデムをバイパスし、内部ADCの信号チェーンから直接I/Qベースバンドサンプルを取得することで、追加のSDR用ハードウェア無しにESP32自体をSDR受信機化するファームウェア(GPL-3.0)。対応チップはESP32/C3/C5/C6/C61/S2/S3など幅広く、2.2〜2.7GHz・4.8〜6.0GHz帯、最大80MSa/s・13〜54MHz帯域幅をカバーする。オンチップFFTでスペクトラムデータを圧縮送信し、ブラウザベースの「ESP-WebSDR」で可視化できる。
発売日・価格:2026年10月4日発表。ファームウェアは無料。対応ESP32ボードは5ドル未満から。
🥕 ニンジンの見立て:手元のESP32がそのままSDRになるって地味に衝撃。追加ハード不要で5ドル未満のボードが電波観測機になるのは、電波の勉強を始めるハードルを一気に下げてくれる。ブラウザでスペクトラムが見れるESP-WebSDRも気になるので、週末に手持ちのESP32-S3で試してみたい。
XGO Duck(Arduino UNO Q搭載の自作二足歩行ロボット)
Pollen RoboticsのMicroduck(商用品、入手待ちが長い)のDIY代替として、Luwu Dynamicsが公開したオープンソースのアヒル型二足歩行ロボット。Qualcommプロセッサ+STM32を組み合わせたArduino UNO Q(2GB/4GB版)をベースに、FeeTech 1910サーボ×15個で脚・足・首・頭を駆動する。カスタム拡張PCBにQMI8658A 6軸IMUを搭載してバランス制御し、機械設計(3Dプリントファイル)・PCB設計・BOM・組み立てガイドをすべてGitHubで公開している。
発売日・価格:2026年9月下旬発表。設計・ファームウェアは無料公開(GitHub)。部品(サーボ×15、UNO Q、8.4Vリチウムイオンバッテリー等)は個別購入。
🥕 ニンジンの見立て:「欲しいロボットが売ってない・待てないから作った」という動機がシンプルに刺さる。設計一式がGitHubに全部揃ってるのが偉い。サーボ15個は結構な物量だけど、二足歩行の重心制御を自分の目で確認できる教材としても面白そう。
Gboard コンベアベルト版(Google Japanの自作コンベア型キーボード)
4列の縦型コンベアベルトにキーを乗せ、ギアモーターでベルトを回転させることで、手を動かさずに目的のキーが流れてくるのを待ってタイプするという逆転発想のキーボード。各ベルトに29キー(大文字・小文字対応)を配置し、M5Stack AtomS3-Liteがキー入力を監視してUSB HID出力する。Kailhのロープロファイルキースイッチを使用し、商用化予定はないが、3DプリントSTL・KiCad設計データ・ファームウェアをGitHubで無償公開している。
発売日・価格:2026年10月1日発表。無料(設計データ公開のみ、販売なし)。自作にはM5Stack AtomS3-Lite(10ドル前後)等が必要。
🥕 ニンジンの見立て:実用性はほぼゼロなんだけど発想が面白すぎる。中身を見るとM5Stack AtomS3-LiteがUSB HID出力してるだけなので、やってることは普通の自作キーボードの技術そのもの。ネタ企画として真似しやすいのもポイントで、展示や勉強会のデモにちょうど良さそう。
Inevati Systems 自作科学計算機(フルスクラッチ設計のRPN電卓)
中古でも200ドル超するHP 35sのような往年の関数電卓を「一生使える」コンセプトで自作した個人プロジェクト。STM32L431マイコンと400×240ドットのSharp製メモリLCD、完全オリジナルPCB(厚さ1.0mm基板)で構成し、RPN(逆ポーランド記法)と通常の代数入力の両方に対応する。グラフ描画・最大17×17の行列演算・方程式ソルバー・不確かさ(誤差)追跡まで実装し、CR2032コイン電池2個(並列)+昇圧回路・Stop2スリープモードにより理論上約29年駆動可能という超低消費電力設計。43キーのマトリクスキーボードは全キーにアンチゴースト用ダイオードを個別実装している。
発売日・価格:2026年10月4日発表。プロトタイプ製造コストは配送費別で約20ドル。市販品ではなく個人プロジェクト。
🥕 ニンジンの見立て:PCBから設計してRPN電卓を一から作るのは尊敬しかない。理論上29年駆動は盛ってそうで実際魅力的だし、低消費電力設計の参考資料として読み込みたい。20ドルのプロトタイプコストなら、自分用の電卓を真似して作ってみたくなる人が出てきそう。
PY-VBALAB 本編 Python・VBA・電子工作の解説記事はこちら ガジェット通信は毎週の新製品メモ。CNC自作・Raspberry Pi・サーボ制御・VBA自動化などのじっくり解説記事は本編にまとめてある。 本編を読む →参考リンク
- Geekworm UPS Scap 5V5A(Pi 5用スーパーキャパシタUPS) — CNX Software
- ESP-SDR(ESP32のSDR化ファームウェア) — CNX Software
- XGO Duck(自作二足歩行ロボット) — Hackster.io
- Gboard コンベアベルト版キーボード — Hackster.io
- Inevati Systems 自作科学計算機 — Hackster.io



コメント